風俗営業法違反に対する刑事処分

風俗営業法違反に対する刑事処分

風営法違反で適用される刑事処分は、風営法違反の中でも特に悪質性の高いものについて科されるものとなっています。

 

◆風営法49条1号(無許可営業)
風営法49条1号に違反した場合には2年以下の懲役もしくは200万円にかの罰金が科されます。

 

第四十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第三条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで風俗営業を営んだ者

 

3条1項の許可とは、単に風俗店の営業をしようとする際に、営業をしようとする場所を管轄する都道府県公安委員会からの営業許可を受けることを指します。
上記許可を受けないまま、風俗店を営業した場合に49条の刑罰が適用されるということです。

 

◆風営法52条4号(不届営業)
風営法52条4号に違反した場合には6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科されます。

 

第五十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
四 第二十七条第一項、(略)の届出書を提出しないで性風俗関連特殊営業を営んだ者

 

第二十七条 店舗型性風俗特殊営業を営もうとする者は、店舗型性風俗特殊営業の種別(略)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 営業所の名称及び所在地
三 店舗型性風俗特殊営業の種別
四 営業所の構造及び設備の概要
五 営業所における業務の実施を統括管理する者の氏名及び住所

 

風俗店を営業する際には3条での許可を得るだけではなく、27条に規定されているとおり、届出書に1号から5号までの事由を記載して提出しなければなりません。

 

上記届出を提出せずに営業を行なった場合、52条の罪に問われます。

 

◆風営法49条3号(名板貸し)
風営法49条3号に違反した場合には2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科されます。

 

第四十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
三 第十一条(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

 

第十一条 第三条第一項の許可を受けた者は、自己の名義をもつて、他人に風俗営業を営ませてはならない。

 

名板貸しは通常の店舗を営業している商人の間では禁止されていない制度ですが、風俗店に関しては法により禁止されています。

 

風俗店の営業は公安委員会からの許可を受けた者「のみ」が実施できることから、許可を受けた者の名義を濫用し、許可なく風俗店を営業する者が増加することを防止する趣旨と考えられます。

 

◆風営法50条5号(性風俗店年少者従事)
風営法50条5号に違反した場合には1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科されます。

 

第五十条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
五 第二十八条第十二項第三号の規定又は同項第四号若しくは第五号(これらの規定を第三十一条の三第二項の規定により適用する場合を含む。)の規定に違反した者

 

第二十八条
12 店舗型性風俗特殊営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
三 営業所で十八歳未満の者を客に接する業務に従事させること。

 

これは性風俗関連の店において、18歳未満の者を客に接する業務に従事させた場合に適用される罪です。

 

風営法には上記に例として挙げたもの以外にも、まだまだたくさん罰則が設けられている規定があるのですが、今回は風営法違反の刑事処分で典型的なものをピックアップして紹介させていただきました。

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