傷害罪で逮捕|初犯の場合どんな処分になる?
衝動的に相手を殴ってしまった、怪我をさせるつもりはなかったが結果的に怪我をさせてしまったという場合、傷害罪が成立する可能性があります。
ただ、「怪我をさせた」という事実だけで傷害罪が成立したり量刑が判断されたりするわけではありません。
本稿では、実際に傷害罪に問われ逮捕されたとき、どんな処分が下されるのか解説していきます。
傷害罪で逮捕|初犯の場合はどんな処分になる?
傷害罪は、故意に他人に怪我や障害を負わせた場合に成立する犯罪です。
「傷害」とは、人の生理的機能に障害を与えることを言い、直接的な怪我はもちろん、精神症状や睡眠障害、病気を感染させるといった場合などにも適用される可能性があります。
もし傷害罪に問われ逮捕、有罪となった場合、初犯ではどんな処分が下されるのか、量刑の軽重などについて解説します。
傷害罪の初犯で被害者の傷害程度が軽い場合は処分が軽くなる傾向にある
傷害罪に限らず、初犯というのは処分が軽くなる傾向があります。
その理由としては、一般的に、初犯の場合は前科がある場合に比べて更生が期待できるとされているからです。
起訴されて懲役刑になった場合でも、執行猶予が付くことも珍しくありません。
傷害罪の場合、法定刑は15年以下の懲役または50万円以下の罰金となっているため、初犯であれば、懲役刑より罰金刑が科せられることが多いです。
反省の程度や捜査への協力的な態度、被害者との示談などによっては、不起訴処分となる可能性も十分あります。
ただ、これらは被害者の傷害程度が軽い場合の話で、初犯だからといって必ずしも量刑が軽くなるわけではありません。
傷害罪で起訴された場合の一般的な判断基準6つ
傷害罪で起訴され裁判が行われる場合、初犯であっても、社会通念上看過できない場合であれば懲役刑になります。
また、前科があっても服役から5年以上経過している場合には、罰金刑や不起訴処分となる可能性があります。
あくまで、「初犯である」という事実を以って量刑を判断する一つの要素に過ぎず、以下の要点などを踏まえて量刑が決められることになります。
- 被害者の障害の程度、後遺症の有無
- 被害者の処罰感情
- 行為の悪質性、常習性、計画性
- 反省の程度
- 更生の見込み
- 犯行手段
その他、裁判所でさまざまな事項を照らし合わせて量刑が決定されます。
つまり、初犯であっても、反省程度が低い、凶器を使用して被害者が重傷を負っている、被害者の処罰感情が強いなどの理由がある場合は、量刑は重いものになる可能性が高くなります。
傷害罪に問われた場合は早期釈放と不起訴を目指す
傷害罪に問われ逮捕された場合は、早期釈放と不起訴処分を目指します。
警察に逮捕されると、ほぼそのまま勾留されることになります。
さらに、起訴が確定し、検察官から勾留の請求が行われそれが許可されると、保釈が認められず、逮捕後の72時間(3日間)を含め最大23日間勾留されることになります。
勾留されたことで前科が付くわけではありませんが、長期間の勾留は勤務先、学校などに大きな影響を与えるため、逮捕後は早期釈放を目指すことになるでしょう。
弁護士に依頼し、釈放に関する手続きを進めてもらうと同時に、被害者に対して示談交渉を開始してもらうことになります。
初犯であれば、反省の態度、捜査への協力的な姿勢、示談が成立したなどの要件が揃えば、不起訴または略式起訴の罰金刑、執行猶予などと量刑が軽くなる可能性が高いです。
まとめ
傷害罪で逮捕、起訴された場合、初犯だからと言って必ずしも刑が軽くなるわけではありません。
あくまで量刑を判断する一つの要素に過ぎないため、悪質性が高いなどの理由があれば刑は重くなるでしょう。
逆に、反省を見せ被害者の処罰感情が薄ければ、不起訴処分や罰金刑となることもあります。
不起訴処分や刑が軽くなるよう動いていくためにも、傷害罪で逮捕された時は、まず弁護士に連絡を取りましょう。
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