【弁護士が解説】心神喪失が認められて無罪になるケース
心神喪失状態により、被告人に対して無罪判決が言い渡された事件のニュースを耳にすることがあります。
多くのひとにとって心神喪失状態は身近ではなく、なぜ心神喪失によって無罪判決となるのか理解されにくいでしょう。
本記事では、心神喪失が認められて無罪になるケースについて解説します。
心神喪失とは?
心神喪失とは、精神の障害によって善悪の判断や自分の行動をコントロールする能力が完全に失われた状態を指します。
刑事事件で被告人が心神喪失であったと認められると、被告人は無罪になります。
これは刑法によって心神喪失者の行為は罰しない、と定められているからです。
心神喪失が認められるには
被告人が自らを心神喪失状態である、と主張しただけで認められることはありません。
正式な手順を経て、心神喪失状態であると判断される必要があります。
まずは専門の精神科医によって精神鑑定を行い、事件当時の被告人の精神状態を詳しく調べます。
ただし、専門医の鑑定結果がそのまま最終的な判断とはなりません。
最終的な判断は、法律家である裁判官によって下されます。
裁判官は鑑定結果をもとに、犯行の様子や供述内容、事件前後の行動などの他の証拠も考慮して総合的に判断します。
心神喪失が認められて無罪になるケース
心神喪失が認められると法律上罪に問えない=無罪、つまり刑罰を受けることはありません。
つまり、心神喪失状態が認められるかどうかが争点となります。
心神喪失が認められることの多いケースは以下の通りです。
統合失調症
心神喪失で最も多いのが統合失調症と言われています。
統合失調症で幻覚や妄想に支配された状態で犯行に及び、心神喪失と判断され無罪となるケースです。
クレプトマニア
クレプトマニアとは、病的窃盗とも言われ、物を盗みたいという衝動や欲求を制御できなくなる病気です。
クレプトマニアだけでは心神喪失が認められることはありませんが、他の精神疾患を併発している場合には心神喪失の判断を左右するケースがあります。
うつ病
重度のうつ病であれば、心神喪失が認められる可能性があります。
うつ病によって精神的に追い詰められた状況下で犯行に及んだケースが多くみられます。
まとめ
心神喪失で無罪が認められるケースは精神疾患によるものが多く、決して犯罪を正当化するものではありません。
心神喪失と判断され無罪となった場合は、その後医療観察法に基づき治療と支援が行われます。
心神喪失などの責任能力に関することを詳しく知りたい場合は、一度弁護士へ相談することを検討してみてください。
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