【弁護士が解説】万引き・窃盗は現行犯以外でも捕まる?
万引きや窃盗のニュースを目にしたとき、ふと「これは現行犯で捕まったのか?」と考えることはないでしょうか。
特に、万引きは現行犯逮捕というイメージもあるでしょう。
今回は、万引きや窃盗は現行犯以外で捕まるのか、逮捕された場合どんな処罰になるのかについて解説します。
万引き・窃盗は現行犯以外でも捕まる?
万引きや窃盗は現場で捕まらないこともあるでしょう。
ニュースでも、防犯カメラで後から犯行がわかったり、周囲の人が気付いたものの逃げられたというのを見かけます。
ここでは、万引きや窃盗は現行犯以外で捕まるのか、捕まった場合の処分について解説します。
万引き・窃盗は「通常逮捕(後日逮捕)」もあり得る
万引き・窃盗は「窃盗罪(刑法第235条)」に問われ、現行犯逮捕以外に、後日自宅等に逮捕状を持った警察官が訪れて連行される通常逮捕(後日逮捕)もあり得ます。
窃盗罪での通常逮捕(後日逮捕)は、以下の要件を満たした場合に実行されます。
- 嫌疑の相当性:被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由
- 逮捕の必要性:逃亡のおそれ、もしくは、証拠隠滅のおそれ
上記2つの要点が満たされた場合、裁判所から逮捕状が発布され、通常逮捕(後日逮捕)となります。
万引き・窃盗が事件現場でバレなかったとしても、防犯カメラや目撃情報などから、後日逮捕に至るというケースも珍しくありません。
実際に万引きの5年後に逮捕された事件もあります。
窃盗罪の公訴時効(公訴ができる期間、公訴における時効)は7年ですので、それまでは逮捕される可能性があるということです。
逮捕されないケースでは、在宅捜査がありますが、こちらも捜査が進めば逮捕に切り替わる可能性も十分あり得ます。
窃盗罪は被害状況によって量刑が左右される
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金ですが、量刑は被害状況によって大きく変わります。
一般的に、量刑は以下のような要素を考慮して判断されます。
- 初犯がどうか
- 犯行後の行動
- 被害者の処罰感情
- 行為の悪質性、常習性、計画性
- 加害者の反省の程度
- 更生の見込み
窃盗罪の場合は、これに加えて被害金額や損失の状況が重視されるようになります。
被害額が高額だったり、弁償されてなかったりすると、初犯であっても量刑は重くなる可能性が高いでしょう。
しかし、被害額が少額、もしくはすでに弁償したからといって必ずしも刑が軽くなるわけではありません。
あくまで、被害金額や弁償の有無は、量刑を判断する一つの要件に過ぎないということを覚えておきましょう。
初犯で被害が軽微であれば「微罪処分」になる場合も
微罪処分とは、明らかに起訴猶予(不起訴)相当と認められる場合に限り、検察に送致せず、警察だけで処理する手続きをいいます。
前科は付きませんが前歴が残るため、全くの無傷とはいきませんが、逮捕されても数日で釈放され、再度同じ罪で逮捕されることはありません。
微罪処分の基準は管轄地域によって多少異なりますが、概ね以下の要件を満たす場合に適用されます。
- 被害額が軽微(概ね2万円まで)
- 動機、犯罪に至る事情が軽微
- 商品の買い取りや弁済がされている
- 示談が成立
- 被害者が処罰を望んでいない
- 普段の素行が良好
微罪処分になるには、被害者の処罰感情が重要になるため、示談しているかどうかが重要になります。
また、原則として前科・前歴がある場合は適用されません。
まとめ
万引きや窃盗は、公訴時効である7年が過ぎるまで、いつでも逮捕される可能性があることがわかりました。
また、初犯かつ、いくつかの要件を満たす場合は「微罪処分」として処理される可能性もあり、ある程度警察に裁量がある形となっています。
しかし、量刑の判断は非常に難しく、相手方との交渉も必要になってきます。
万引きや窃盗で逮捕、勾留された場合は、1人で何とかしようとせず、早急に弁護士に相談しましょう。
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